40年前…なんて書くと、えらい大昔のような気がするけど、私はすでに大学生だった。
仙台の浪人時代、ファッションに火がついた私は、大学生になりさらにエスカレートした。その頃は、インポート物のブルゾン(当時はアウターという言葉がなかった)、インポート物のジーンズ、そしてインポート物のスニーカーが重要なアイテムだった。
当時の情報ソースといえば、メンズクラブとポパイくらい。そして、そんな雑誌に紹介されるスニーカーは、ほぼ決まっていた。
「コンバース」のオールスター。「アディダス」のスタンスミス。この二つが2大巨頭。「NIKE」もLAスタイルとして紹介されてたけど、弘前で売ってるのは見かけなかったし、あまりにスポーツすぎて、当時はそんなに好きじゃなかった。
そして、IVYスタイルとして絶対に外せなかったのが「Top Sider(トップサイダー)」のデッキシューズだ。
デッキシューズといえば、レザーのデッキシューズを思い浮かべる人が多いと思う。もちろん「トップサイダー」もレザーのデッキを作っていたけれど、当時の僕らが欲しかったのは「キャンバス素材のデッキシューズ」だった。
この「トップサイダー」のキャンバスデッキは、「コンバース」のオールスターと並び、数多くあるスニーカーの原型と言える。
いろんなシューズブランドのみならず、デザイナーズブランドや高級メゾンあたりも、この型をサンプルモデルにしている。それだけベーシックであり、かつ完成された型なのだ。
「トップサイダー」が売りにしていたのが「スペリーソール」という「船の甲板でも滑らない」と言われた波型のソール。
このソールはキャンバスにもレザーのデッキにも使われていて、「トップサイダー」の代名詞となっていた。
そして、なんといっても憧れたのがヨットがプリントされたインソールとヒールパッチ。
ヨットがプリントされたデザインは、まだ見ぬアメリカ西海岸に思いを馳せるものだった。
本来、IVYスタイルはアメリカ東海岸の大学生ファッションと言われていたが、この海を感じさせるデザインは、やはり西海岸という感じ。
今でも生産はされていると思うけど、もはやUSA製はないはず。やっぱりこの「Made in USA」のロゴが醸し出すのは、やはり独特の雰囲気。
あの頃、「VAN」のマドラスチェックのショーツに「トップサイダー」のデッキを合わせるのが最高に好きだったな。
還暦になった今、夏になったら再びそんなスタイルをしてみたいな…と思い、シューズラックの隅っこにあったコイツを引っぱり出してみた。
が、全く入らない…
どうやら、腹周りだけでなく、足も成長していたようです(悲)